空が白み始めた4:30から8:00頃まで、久しぶりにまとまって寝れた。
クロも俺も体力の限界に来ていたから今日は休息日にすることにした。
クロの鞍ズレの様子を見てみたけれど、やはりあまり良くなっていない。
体力的にもクロはそろそろ限界かもしれない。
昨日炊いた残りのご飯を韓国のりで巻いて食べた後、歯磨きしながらクロとじゃれて遊んでいると人の良さそうなおじさんが近付いてきた。
「どこから来たんだ?」
「バヤンウルギーです」
「一人で?!モンゴル人でも難しいのにすごいな!後でうちにお茶でも飲みに来てよ。あのゲルだからさ」
と言って、町との間にあるゲルを指さした。
後で町に行こうと思っていたからついでに寄ることにしよう。
ちゃっかりカメラのバッテリーを渡して、充電をお願いしてから手を振った。
近くの川で服を全部脱いで体と頭を洗って、服も洗って、テントの近くの草むらに服を広げて置いておいた。
近くにある町はコンクリートの建物もあるしそれなりに大きい。
この先しばらく町はないから、買出しやらクロの交換に必要なお金も引き出しておかないと。
装備や荷物の点検をしてから、テントのチャックに南京錠で鍵をかけた。
ジョナとクロを連れて先ほどのおじさんのゲルに寄ると、おじさんの妻らしき人が笑顔で出迎えてくれた。
ツーテーツァイ(モンゴル塩ミルクティー)をごちそうになって少し雑談をした後、町に行きたいから馬をそこに置いて行ってもいいか確認して草の良さそうなところにジョナとクロを繋いだ。
すぐ近くにあると思っていた町を歩いて目指すも、一向に着かない。
草原だと数十キロ先も見えるから距離感がおかしくなる。
結局40分かけて到着。
まずはクレジットカードでキャッシングをする為、ATMを探す。
1件目はキャッシュカードのみのようで、2件目でクレジットカードのマークが使える場所を発見!
ちょっと特殊な機械なのとモンゴル語なので、係の人に使い方を聞いてた。
何度か試してくれたけれど結局使い方が分からず。
自分で色々と試してみたらなんとか10万Tgだけ引き出すことができた。
手持ちのドル札も全部両替して、合計25万Tgを用意できた。
クロの交換がギリギリできるくらいかもしれない。
店で手鏡、米2kg、ローソク5本、魚缶2つ、卵4つ、スマホバッテリー1つを買って、結局戻ってこれたのが16:30頃だった。
ゆっくり休む日にしたかったけれど、思ったより時間がかかってしまった。
夕飯に3合分の卵雑炊を作って口にかき込んだ。
忙しかったけれど移動がなかった分、体は結構回復した気がする。
その後はいつもより丁寧にクロとジョナの毛並みを整えたり、蹄の裏堀りをしたりした。
夜になるとテントの中でロウソクに火をつけて、日記を書いたり、地図でルートを確認したりして朝を待った。