朝起きて、まずは臆病なほうの馬に跨ってみることに。
乗りにくいわけではないけれど、ちょっとした物音や動作にも驚いて急に暴れたりする。
おじさんも「ダメだな」という表情をしている。

次は暴れ馬に乗ってみることに。
難しい馬だからまずはおじさんが見本として乗ってくれた。
乗る前から既に暴れていて、なんとか乗って落ち着かせるもすぐに走り出したり暴れたりでロデオ状態。
飼い主のおじさんでこれだと不安でしかないw

馬が少し落ち着いてきてから、おじさんが降りて俺にやってみろと手で合図をした。
気持ちで負けたらそれが馬にも伝わるから「絶対に乗りこなしてやる!」という気持ちに切り替え、いざ挑戦!

勢いよく跨ると、まだ右足を鐙に入れる前に全速力で走り出した。

なんとか右足を鐙に入れて、手綱を引いて止めようとするも止まらず。
思いっきり手綱を左に引いて、全速力からちょっとペースダウンさせた途端にロデオ状態に。
落ちずにこらえていると少し収まってきた。

軽く歩かせてみるが、またすぐに全速力に。

1時間くらいはそんな調子で乗り続けて、すこしは落ち着いてきた。

おじさんも「乗るのうまいな!」と褒めてくれたけれど、完全に乗りこなすまではいかなかった。
乗り始めに比べればかなりマシになってきているし、残りの日程を考えてもこのくらい強い馬じゃないとこの先続かないだろう。
何よりウマオと同じくモンゴル人が好きそうな強くて乗るのが難しい馬だから、ちゃんと乗りこなしてみたい。

少し悩んでいたけれど、30万Tg→27万Tg(1800円)に値下げしてくれたこともあって交換することにした。

手持ちの現金があまりなくて銀行に行くのと、ちゃんと馬の購入証明書(ないと馬泥棒と疑われる)を作るため、お兄さんのモングェルデネとバイクで近くの町に行くことに。

バイクの後ろに跨り、時速80kmで舗装されていない草原を爆走。
ちょっとした段差の度に尻を浮かせながら走ること1時間半。
ようやく町についた。

銀行に行くと今はネット回線がダウンしているようで、一先ずモングェルデネの友人宅に行くことに。
既に彼の別の友人も2人来ていて、5人でビールを飲んだり、ツーヴァン(モンゴル焼きそば)を食べたり、ブフ(モンゴル相撲)をしたりした。

ブフでは4人中の3人には勝てた!
でも以前なら全員勝てた気もする。
筋力も体力も明らかに以前より低下しているし、もっと食事量を増やさないとなー。。。

その後は警察官の友人の家に行って書類を作ってもらって、お酒をごちそうになった!
前の家の分も合わせてビールを1人2リットル以上は飲んでいてモングェルデネもまぁまぁ酔っぱらっていたけれど、バイクに跨ったモングェルデネを警察の友人も笑顔で見送っている。

「飲酒運転はモンゴルでもダメなはずだよな?」と思いながらもバイクの後ろに跨った。

16時に銀行に戻るとちゃんと直ってて、無事に支払いも完了!

その後はモングェルデネが友人を紹介したいとのことで、色んな家を回りながらひたすらお酒をごちそうになった。最初は知り合いの家を回っているのかと思っていたけれど、何件かは知らない人の家も回ってるみたいだ。

途中、酔っぱらってモングェルデネが寝ちゃったから子供らと遊んだりして過ごした。




















貴重な自分の写真。子供らが撮ってくれた










日も傾いてきた頃、ようやく帰ることになった。
モングェルデネがフラフラになりながらバイクに跨って、ご機嫌に歌いながら出発。

時速80kmほどで爆走し始めた途端、草原に大きなコブがあったみたいでバイクが一瞬宙に浮いて、すごい衝撃と共に転びそうになった。
なんとか俺も地面を足で蹴って転倒は免れた。
バイクが止まって一瞬の沈黙の後、二人で思いっきり笑った!

「もう危ないから運転変われ!!」

半ば強引に運転席を奪うと、モングェルデネは後ろの席でまた大声で歌いだした。

「タイト、お前も日本の歌を歌え!」

好きなGLAYの曲を何曲か大声で歌いながら運転していると、「めっちゃいい曲だな、もっと歌ってくれ」とモングェルデネは静かにずっと聞いていた。

夕日が染める真っ赤な草原を大声で歌いながらバイクで運転するのは最高に気持ちよかった。
お酒をめっちゃ飲んでたせいかもしれないけれど。




ひたすらお酒を飲むモングェルデネ





移動距離:0km
座  標:北緯 48.21224 , 東経 98.55189