酒の残った気怠い体を起こして、朝からナラントール市場へ向かった。

いつ来ても活気のあるこの市場がやっぱり好きだな。


都心を離れると、急激に物が手に入りづらくなる為、長期の馬旅に必要な鍋やテント、ナイフ、新しい服を買った。

キャラクターの濃い市場の人達に話しかけて必要なアイテムを揃えていると、本当にRPGの世界のようだ。


一通り揃えて、宿に荷物を置いてからドラゴンバスターミナルへ!

ドラゴンバスターミナルはモンゴルの各町を結ぶ、モンゴルの中でも中心的なバスターミナルだ。

ウランバートルからはバスで一時間ほどで到着!


モンゴル西端の町、バヤンウルギー行きのバスが次に出るのは4日後だった。

既にビザの期間が残り50日となり、残り期間での横断は日程的に厳しいかと思っていたけれど、これで決定的なものとなった。

バヤンウルギーには舗装されていない道をバスで60時間程かけて走るらしい。

まさか8人乗りのバンに20人とか乗せて走るパターンじゃないよね!?と不安になって聞いてみたけど、ちゃんと大きなバスということだった!よかったw


とりあえず4日後のバスチケットを予約して、ビザ延長のため、翌日の夜行列車で一度出国をすることにした。

これで何度目の国境越えだろうかw

国際寝台列車のチケットしか席が残っていなかったから、快適な列車の旅となった。

ノートパソコンで映画を見ながら、ついに横断が始まる!とワクワクが止まらなかった!


翌朝8時、国境の町ザミーンウッドに到着すると、すぐに帰りの列車のチケットを予約する為、窓口に並んだ。

既に長蛇の列となっていて、予約できるのか不安だったけれど何とか本日発の座り席を確保!


夜行列車で16時間もかかるのに9,600Tg(約670円)という安さが妙に怖い。


何度も超えた国境だったからジープで国境越えをして、すぐにまた入国した!

中国での滞在時間、約1分!



夕方の列車までは時間があったから、中華料理屋に入って時間をつぶしていた。

時間になって列車に乗り込むと、間違って動物園の檻にでも入ってしまったのかと思う程のひどい状態。。。

棚にぶら下がって叫んでる人はいるわ、上半身裸のおじさん同士が殴り合ってるわ、窓から段ボールを次々と投げ込んでくるおばちゃんがいるわ。。。


やはり寝台だとそれなりにお金のある人しか乗らないから、列車での楽しい会話も車窓の風景も楽しめたけど

ここでは自分の身をどう守るかで精一杯になりそうだ。


自分の席を探したら、すでに体格の良いおばちゃんが座っていた。

「すいません。ここ俺の席なんですけど。」

おばちゃんはすぐ上にある荷物置き用の棚を指さして

「そこ、空いてるわよ」

無表情で言い放った。




「いや、チケットに書いてあるけど俺の席はそこなので、どいてもらえませんか?」

と言うと、周りの仲間も4人ほどおばちゃんの援護に加わり、「あんたが上に行けば済むだろ!」と口論に。


騒ぎを聞きつけた車掌さんが来てくれて、ビシッと「チケット通りの座席に座ってください!」って言ってくれた。

救世主が来てくれた!と喜んだのも束の間、すぐにおばちゃん軍団の罵声に負けて、俺に向かって

「申し訳ないけど、上の棚に行ってもらえないかな?」と。。。。


もう面倒になってきたし、逆にこのおばちゃん軍団に囲まれて寝るのは危険すぎるし、諦めて棚の上で丸まって寝ることにした。。。

昨日乗っていた国際列車が遠い世界の存在に感じた。



移動距離:
座  標:北緯 , 東経