悪夢の動物園列車がウランバートルに到着したのは朝9時頃だった。

周りがドンちゃん騒ぎだろうと、荷物棚の上だろうと、熟睡できてしまうこの体質が本当に便利だなと思う。



今回、出国した目的のビザ延長を果たす為、駅からそのまま空港付近にあるイミグレーションへと向かった。

つい1週間前にも延長に来たばかりだったから何の不安もなく、笑顔でオフィスに入っていった。


前回対応してくれたおじさんと目が合うなり、

「お前、何でまた来たんだ!!」と怒っている。


なんで怒られてるのかよく分からず、俺も困惑しながら笑顔で「また延長に来たよ?」と話すと

「一回延長したら出国しても6カ月は延長はできない!!なんで出国しちゃったんだ!」とすごい剣幕で捲し立ててくる。


「ごめん。。。知らなかった。延長する方法は他にはないの?」と訊ねるも「俺は悪くない!俺は悪くない!」と全く聞く耳を持ってくれない。


しょうがなく別の職員に聞いたら、「延長する方法はないよ」と言われた。

「3カ月の観光ビザで所得しなおすことはできる?」と聞くと、「それならOK!」と!


前に千夏さんの友人がビザの取得代行もしてるって話を聞いていたから、すぐに千夏さんに電話で事情を説明した。


千夏さんも一度延長すると6カ月は延長が出来なくなるというルールを知らなかったらしく、驚いてた。

まぁ普通は延長したビザをすぐに捨てて、新しく取得しなおすなんていうバカなことしないもんなー。。。


早速、紹介してもらった旅行代理店をしているモンゴル人に電話をすると、すぐにオフィスに来るように言われた。

バスで直接オフィスに向かって、教えてもらった住所のオフィスに入ると、ニンジンさんと言うとても優しそうな40代くらいの女性がいた。

ちなみにニンジンさんの名前は日本人向けのニックネームではなくて本名らしい。

一通り自己紹介をして、状況を説明した。

「事情はわかった。明日すぐに必要な書類を作るから、日程表を提出して」

「日程表??」

どうやらビザを取得するには日程表が必要ならしい。

一通り作り方を教えてもらったけど、知らない土地を知らない馬で移動する訳で、どんな日程になるかなんて全く読めない。

すぐに宿に戻ったけど、とりあえずの予定で日程表を作成してメールで送った。



翌日、書類が出来上がる明日まではのんびり。

買い出しの最終確認の意味合いも込めて市場に行ったら、釣り竿に目が眩んでしまった。

日本からわざわざ釣りに来る人がいるほどモンゴルは釣りも有名だし、馬の休息日にでも釣りをして過ごしたら楽しいかな。

妄想しながらニヤニヤしてるとおじさんに、「これ安くするよ!」って声をかけられた。

おじさんおススメの釣り道具を一式購入して、その日は町を散歩したりしてのんびり過ごした。


移動距離:
座  標:北緯 , 東経