眩しい朝日で目が覚める。

今日はついに横断出発の日。
あんまり実感のないまま、しばらくベッドで寝れることはないんだろうなとベットの感触を惜しみつつも起き上がった。

パンを食べて、一通りの支度をしてからミルカの両親にお礼を言った。

カザフスタン語だったからあんまり分からなかったけど、アスカがモンゴル語に翻訳してくれた。

「私たちは偉大な旅の助けになれたことを誇りに思っている。本当に気を付けて、もしダメそうだったらすぐに戻っておいで。成功を祈ってる。」

ここまで色々としてくれて、こんな言葉まで貰って、心がいっぱいになった。


Exif_JPEG_PICTURE


両親とハグをしてから、ジョナサンに乗ってアスカとミルカと町へ。


買った馬の書類を作りに警察署へ向かった。

モンゴルでは車検証みたいに自分の馬だと証明する為の書類が必要になる。
万が一、持っていないと盗んだ馬なんじゃないかと疑いを掛けられてしまう。

窓口で受け取った書類はなんだか難しい内容だったけどアスカが書いてくれてなんとか申請完了。

処理が終わるまで待つこと3時間。。。


やっと書類を受け取れた!

軽くお昼ご飯を食べてから市場で食料と水を買い込んで馬旅にいざ出発!!

1日目はアスカもミルカも着いてきてくれる事になった!



ジョナサンに乗って西を目指し、軽速歩で進む。

後ろからはクロに乗ったアスカと車に乗ったミルカがついてきている。



晴天の青空に、久しぶりの長距離乗馬でルンルン気分!


町はどんどんと遠ざかっていった。


少しの間だったけど色んな人にお世話になった!

さよならバヤンウルギー!


Exif_JPEG_PICTURE


やっぱり60時間バスの影響で腰と膝が未だに痛い。

それでも馬に乗れる楽しさには勝てなかった!


ジョナサンもクロもカザフスタン式の調教を受けているから、足で基本的には操作をする。

モンゴル式だと口と声で操作することが多かったから慣れるのには少し時間がかかりそうだな。


それに加えて明日からは左手でジョナサン、右手でクロを操作しなくてはいけないから、今日は左手でだけで操作するようにした。

腰と膝の痛みで疲れは早かったけど、徐々に操作に慣れてきた!

Exif_JPEG_PICTURE

▼ハエが多かったので忍者スタイルに!
Exif_JPEG_PICTURE


日も暮れかかってきた時、通りがかりの一台の車が近寄ってきた。

車の窓からおじさんが顔を出して、カザフスタン語で何か言っている。


と、アスカがいきなり声を荒げた。

おじさんも声を荒げていたけど、しばらくして車は去っていった。


「どうしたの?」

「お金を置いてけって言われたけど追い返してやったわ!西側は悪い人が多いから気を付けてね!」


やっぱり強盗はいるもんなんだな。

気を付けないと。


21:00頃、あたりも薄暗くなってきたところで野営できる場所を探して適当な川辺に向かった。

草の生い茂っている良さそうな所を見つけ、馬を降りて辺りの様子を偵察。


川の水も飲めそうだし、ぬかるんでいない場所にもテントを張れそうだし大丈夫だなと思っていると、どんどん蚊が集まってきて視界いっぱいに。

偵察に行っていたアスカもこっちに走ってきて
「ここはダメだ!別の場所を探そう!」
と、慌てて馬に乗った。

もう既に日は暮れて、月も隠れて何も見えないほど真っ暗。

2km先でも照らせるLEDライトを持ってきて本当に良かったと思う。


なんとか蚊の少ない場所を探して、そこにテントを張った。


馬装を解いて、馬の状態をチェックするとジョナサンの金玉がめっちゃ腫れていた。

おそらくさっきの蚊のせいだ。


とりあえず薬を塗って様子を見るしかない。


たき火を組んで、米を焚いて、気付くと日付も変わっていた。

たき火を囲みながら、缶詰とご飯を食べつつビールで乾杯!


さっきまで隠れていた月も顔を出して、薄っすら明るくなっている。


満点の星空の下、初日の反省点やら、明日からの計画やらを話して眠りについた。


移動距離:
座  標:北緯 , 東経