バッグを作ってもらった後、ジョナサンとクロに蹄鉄を打つ為、アスカの知り合いのおじさんの家に向かった。

普通、モンゴルの馬は蹄鉄なんてつけないんだけど、今回は距離が長いのでアスカがつけた方がいいって薦めてくれた。


町はずれのゲルに向かうと、愛想のいいおじさんが仲間の2人と共に笑顔で迎えてくれた。

「良い馬だな!」

ジョナサンを撫でながら、体のあちこちを見てくれている。


「早速始めようか!」

おじさんたちが、金槌やらロープを用意し始める。


まずは体格の小さなクロから、蹄鉄を打つことに。

足4本にロープを掛けて転ばせて、パニックで暴れるクロをみんなで押さえつける!

ケガをしないように4本脚を綺麗に固定したところで、おじさんが蹄に蹄鉄を釘で打ち始めた!


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何度か釘を打った後に、「あれ?うまく入らないな」と首をかしげている。


この町に来てから馬はクロとジョナサンと交換前の黒馬しか見ていないし、蹄鉄なんてつける機会もそんなにないから、久しぶりなのだろうな。

苦しそうにしているクロを見ていると早くしてあげて欲しいと思うけど、おじさんも必死に頑張ってくれているようだ。


何度か釘を抜いては差してを繰り返し、無事に足の4本すべてに蹄鉄を打ち終わった。


既に辺りは暗くなり始めている。

次はジョナサンの番だ!


また足4本に縄をかけて寝転がす。

4人がかりで押さえつけるとクロと違って体格も大きく、暴れる力も数倍も強く感じる!

それに加えてジョナサンの方が臆病なのかやたらと暴れてて、思うように蹄鉄もつけられない。


やっとの思いで後ろ足2本に蹄鉄を打ち終わると、暴れた時に打ってしまったのかジョナサンの口から少し血が出ていた。

「今日はもう辞めておいたほうがいい」

おじさんが残念そうに首を横に振った。


これ以上はジョナサンにも更に怖い思いをさせるし、またケガをさせてしまっても良くない。

「東に行けばもっと慣れてる人たちがいるから残りの前足はそこで頼むといい。」

軽く肩を叩かれながら、残り2つの蹄鉄を受け取った。


お礼のお金を少し払い、おじさんたちから激励の言葉をもらって別れた。


明日に備え、ジョナサンとクロを草の多いところで休ませてから、出発前屋夜祭ということでアスカとミルカと町中のレストランへ!


久しぶりの冷たいビールで乾杯!

冷蔵庫がない家が多いから、冷たい飲み物は本当に貴重!


ステーキを食べながら、お互いの身の上話を紹介。

なんだかんだずーっとバタバタしていたらから初めてゆっくり話した気がする。


ミルカは旅行の仕事につきたくて日本に留学に来たいらしい。

将来は色んな国に行ってみたいんだって。

日本のパスポートってどの国にも行けるし、経済的にも良くて、本当に恵まれた環境に生まれたんだなと実感した。


アスカはもともと歌手として西モンゴルでは有名らしくて、CDも売れてたみたい。

ちょうど、レストランにドンブラ(カザフ地方伝統の馬頭琴のようなもの)があったのでアスカが弾きながら歌ってくれた。

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透き通るような綺麗な声の中に力強さがあって、さすがはプロだ。

アルヒ(モンゴルウォッカ)を飲みながら、心地よい夜は更けていった。


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