朝3:30、東側の空が少しだけ白み始めた頃、昨日炊いて鍋に残っているご飯を手でかき集めて塩を振り、おにぎりみたいにして食べる。
草丈が短かったせいか、まだジョナとクロが草を食べている。
もう少し食べさせる必要がありそうだから6:30まで寝ることに。
6:30になり起きる。
すごく眠いし疲れがほとんどとれていない。
最近はいくら疲れていても、狙った時間に起きれるようになってきた。
ジョナとクロは草を食べ終わってまったりしている。
川に連れて行って水を飲ませて、体の様子を見てみると、ジョナは口のところにハミ擦れが出来ている。
こんな状態でハミをはめさせたら痛そうだからクロに乗って、曇り空の中8:15に出発!
しばらく草原を進むと大きな茶色のボタンが落ちていたからクロから降りて拾った。
馬用のバッグや服もボロボロになってきたから修理に使えそうだ。
それからしばらく進むと、次はフォークが落ちていた。
箸しか持ってなかったけれど、最近は疲れすぎていてちょうどフォークが欲しいと思っていたからラッキーだった!
それからまた2時間くらい進むと今度はまた草原の真ん中に2000Tg(約140円)が落ちていた。
近くにゲルもないのに今日はやたらと拾い物をする。
しばらくクロに乗って進むと小雨が降ってきた。
そこまで強くもないし、降ったり止んだりしているからレインコートは着ないで進み続ける。
滅多に車が通らない場所なのに、前から車がこっちに向かってきた。
車が目の前で止まると若い男が運転席の窓を下げて笑顔で声をかけてきた。
中には若い男女が他にも3人ほど乗っている。
悪くなさそうな人たちだけれど念の為、警戒してクロの上から話を聞く。
「こんにちは!どこから来たんだ??」
「こんにちは!バヤンウルギーです」
「一人で?!中国人?」
「一人です!日本人ですよ!」
「モンゴル人でも一人ではそんな距離は難しいのにすごいな!どこまで行くんだ?」
「ウランバートルです」
「えー!それはすごすぎるな!かなり難しい道のりだと思うけれど頑張って!応援してるよ!」
そう言って馬乳酒をコップに一杯注いで渡してくれた。
どこの家庭の馬乳酒もそれぞれ特徴があって、何度飲んでも美味しい。
軽く世間話をしてコップを返すと、別れ際にアロー(チーズを干して固めたようなもの)とパンを一袋くれた。
車はあっという間に草原の地平線まで消えていく。
ちょうど昼も過ぎていてお腹が空いていたから、クロに乗りながら貰ったばかりのアローをかじってみた。
アローはヨーグルトみたいになった牛乳を乾燥させて一口サイズに四角く切ってある遊牧民の保存食。
ヨーグルトとチーズの中間みたいな独特の味がして砂糖などの調味料は一切入っていないし、歯が折れそうになるくらい硬いから今まではそんなに好きじゃなかったんだけれど、空腹のせいかモンゴルに慣れたせいかすごく美味しい!
袋は持ってなかったからそのまま上着のポケットにいくつもアローを突っ込んでいて、そのポケットに砂が入っていたみたいで、ポケットから取り出してはアローについた砂を掃って食べた。
17:45、目的の村についた!
村には食料や雑貨などを買える店はなく、小さなご飯屋というのか家族がゲルで有料でご飯をだしているだけのような店が一軒だけあった。
肉ご飯を注文して、その間にカメラのバッテリーと携帯の充電をしてもらう。
店の人に近くの村の話や地図で今の川の位置を確認してながらご飯を食べた。
充電はまだ終わってなかったけれど食べ終わったから、バッテリーなどを回収して店の外に出る。
早速、一眼レフカメラのバッテリーをセットして電源のスイッチを入れてみても電源がつかない。
少し電池が残っているはずの予備バッテリーに入れ変えてもつかない。
小雨が降った時に少しだけカメラが濡れたから、おそらくその時に壊れたのか。
カメラバッグの上部が湿ったくらいで壊れるとは油断していた。。。
今日はラッキーなことも多かったけれど、ちゃんと最後はバランスが取れるように出来ているんだと諦めた。
まぁアンラッキーのほうが大きすぎるんだけど
まだ明るいから川の近くの草がよさそうな場所を探して、クロたちに食べさせるついでにそのまま草の上で2時間ほど寝た。
小雨が顔に当たって目を覚ます。
辺りもだいぶ薄暗くなっている。
場所の良さそうなところに移動して大急ぎでテントを張ったけれど、その間に雨も強くなってきて結局服やズボン、テントの中も濡れてしまった。
雨が強くなってきて少し心配になってテントの縫い目を全部チェックしていると3箇所から薄っすら水漏れしていた。。。
とりあえずビニールテープで応急処置はしたけれど一か月弱の使用で既にこの状態か。
寝袋は幸い濡れていなかったから寒さ対策として寝袋の上にデールやバッグなどをかけてずっと中に籠っていた。
寝袋から顔だけ出してクロとジョナをたまに見ながら夜をやり過ごす。