朝5時、起きてみるとハチミツと抗生物質のおかげか40度あった熱もすっかり下がっていた。
空にも晴れ間が見えるし、昨日ほど寒くない!
念願だった馬旅がやっとできる事に胸を躍らせながら
ジョナサンとクロにタップリと水を飲ませてテントを畳んだ。
クロの背中にバッグを括り付けようとすると、バッグを少し怖がって乗せるのに一苦労。
馬は白いものが苦手なようで、なんでバッグを白にしてしまったのかと少し後悔した。
それでもなんとか準備を済ませ、朝食がわりの板チョコをかじりながら、いざ出発!
ハエが多くて、ジョナサンは少し嫌がっていたけど2人とも元気そうだ!
GPSで進む方向を確認しながら、360°西部劇に出てくるような乾燥した荒野をひたすら進んだ。
聞こえるのはジョナサンの息遣いと風の音のみ。
所々に小さな山があって、その間を抜けてひたすら北東に進んでいった。
次の村までは80km程ある。
まずは2人と仲良くなることから始めようと、今日はペースを上げず、温かい陽気の中をのんびり少しずつ進んでいった。
そんな中、昼過ぎ頃に事件は起きた。
クロに括り付けてある荷物が少し傾いてきている事に気付いて、一旦荷物を結びなおそうと馬から降りた。
クロも大人しくしていたから油断していたんだと思う。
結びなおそうとした時の荷物の音にビックリしたクロが急に跳ねてしまった!
荷物が一気に反転してお腹のほうへずれ、クロも大パニック!
暴れまわるクロに驚いてジョナサンも本気で走り始めた!
クロを押さえ込むのに必死で、本気で走り始めたジョナサンの綱を片手で掴み続けられず、手放してしまいジョナ逃亡!
とりあえず胸ポケットからナイフを出して、クロに括り付けてあるロープを切断して鞍を外す!
クロを落ち着かせて、鞍も付けずにすぐに飛び乗った!
裸馬で駆け足なんてしたことなかったけど、ジョナを追いかけることに夢中で気付いたら走れてた!
荷物が荒野の真ん中でどこに置いたか分からなくなると困るから、片手でGPSを操作して座標登録!
なんとかジョナに追いついたものの、興奮が収まっていないようで、なかなか30m以内にいれてもらえない。。。
なかなか距離が縮まらない状況で1時間が経過。
このままでは埒が明かないと思って全速力で走って、ジョナに出来るだけ近づいてみた!
ジョナも疲れてきているのか10m位の距離までは近づける!
この距離ならジョナから垂れているロープに手が届きそうだ!
クロは人馴れしてるし、なんとかなるはず!
そう思った瞬間、クロからジャンプしていた。
全神経をロープに集中させ、全てがスローに見える中、何とか両手でロープを掴むことができた!!
しかし全速力で走っているBIGサイズの馬がそう簡単に止まるはずなく、うつ伏せ状態で引きずられ続ける。
このままじゃ止まる前に俺がボロボロになってしまう。。。
でもここで手を放したら荒野に一人取り残されてしまうし、絶対に放せない!!
そこに運よく、大き目な草木の茂みが近づいてきた!!
なんとか手が届きそうだ!!
全ての力を振り絞って、片手で草木の根っこを掴んで無理やり止める!
腕が千切れそうになったけど、何とかジョナを止めることに成功した!
「危なかった。。。」
少しホッとしつつ、ボロボロの体で立ち上がったその瞬間、興奮して跳ねているジョナの後ろ足が飛んできた!
あまりの速さに避けれず、膝の少し上あたりに直撃!
なんとか受け流しが間に合ったけどその場で悶絶して倒れこんだ!
2013.06.29
【3日目】荒野の中心で馬が逃げる
移動距離:25km
座 標:北緯 49.19282 , 東経 90.26444
次の記事 >
2016/11/08【3日目】Part2 一人馬旅1日目でボロボロになる馬旅
逃げたジョナの綱をダイビングキャッチでなんとか捕まえ、一安心して立ち上がった。その瞬間、興奮して跳ねているジョナの後ろ足が膝の上に直撃!受け流せたけど、あまりの痛さに崩れ落ちた。興奮して暴れていたジョ...
< 前の記事
2016/11/08【2日目】極寒×豪雨で40℃の高熱に馬旅
朝、刺すような寒さで目を覚ますとテントの中には雨の音が強く響いている。『なんでこんなに寒いんだ?』凍えながら急いでお茶用にお湯を沸かす。テントの中だというのに吐く息も真っ白で、雪でも降りそうな寒さだ。...